9歳の誕生日を迎えて
この夏、トモが9歳の誕生日を迎えた。
友達との関係がだんだんと密になり「ギャングエイジ」なんて言われる年齢になってきたわけである。
不安をいっぱいかかえて小学校へ入学して、ようやく「なんとかやっていけそうかな?」という見通しがついてきたのが1年生の2学期ごろ。
それからは、学習に抽象的な概念が入ってきたり、友達との関係作りなどがむずかしくなってくるだろうという、この3年生からの時期を、次なるハードルか?と心配してきている。
3年生の担任の先生は、お話しする機会があったりすると、いつもにこやかな笑顔で、トモのことを「穏やかな性格」と評価してくださる。
幼稚園の頃、友達とトラブルを起こしたり、人が遊んでいるおもちゃを奪い取っていたようなトモなだけに、この言葉は、親としてとてもうれしい。
でもね、穏やかな性格でも、からかいやすい性質の子だけに、心配はつきない。
トモは、すぐにズボンの中に手がいってしまう。
そうすると、気持ちがすごく落ち着くらしい。
でも、誤解を受けるかもしれない行為でもあるし、これから先のことも考えると、きちんと教えていかなくてはならないことで、わたしは見つけると、手を持ってズボンの外に出し、「手は出しておこうね。」と繰り返し言っている。
同じようなエピソードは、漫画「光とともに・・・5巻」にも出てきていた。
ああ、やっぱり!とすごく共感したものだ。
思春期に向かう男の子の母親としては、大きな心配のひとつなんだと思う。
なんでも口に出してしまう子で、家でトイレに行くときも、
「うんちしてくるねー。」なんて。
そういうことは、いちいち言わんでもいいのよ。
それでも、最近は「恥ずかしい」ということを意識し始めている。ポイントは少しずれている気がするけど。
たとえば、
「プールのときに、靴下を履いたまま入っちゃった子がいたんだよ。」
なんて話してくれるので、
「あわてていて、脱ぎ忘れちゃったのかな?それは、誰?」などと聞くと、
「恥ずかしいから、言わない。」と言う。
その子が恥ずかしいだろうから、言わないってことなのか?
それとも、もしかして自分だったとか?
「このまえ、すごく恥ずかしかったんだ。」
と、さも困ったようなコイル眉毛(笑)で言うので、わけを聞いたら、
友達を、間違えて「先生」って呼んじゃったんだって。
う〜ん、そんなに恥ずかしいことでもないと思うけどなぁ。
夏休みにエレクトーンのレッスンへ行くときも、
「自転車で行ってきたら?」と言ったら、嫌がるの。自転車大好きな子なのに。
どうしてなのかと聞くと、
「先生の家の前に自分の自転車が置いてあったら、怪しまれる。」
って。誰に何を怪しまれるというの????
正直になんでもしゃべっちゃう子ではあるけれど、ちょっと変わってきているのかな?と思うところも出てきた。
先日、一緒に児童館へ行ったときには、こんなことがあった。
先に来ていたクラスの子を含むグループが、児童館へ行くとトモが好んで遊ぶ、ドミノ倒しをしていた。
トモが、入れて!も言わず、そのグループがまだ使っていないドミノの積み木に触ろうとしたら、
「触るな!」
って、一人の子にすごくキツイ口調で言われて、パッとその場を離れた。
泣きそうなのをグッとこらえている様子で向こうの方へ行ったので、わたしも気づかないふりをしたんだけど・・・。
児童館を出てから、「触るな」って言った子のことを聞いたら、トモは、
「(ぼくは)そんなこと言われてない!」って言い張るんだよ。
わたしに知られたくないことだったのか。
こうやって、学校であった嫌なことも、親に隠しているのではないか?
そう考えると、いつも以上に心配になり、個人懇談のときに、担任の先生にお話してきた。
トモなりに、心も成長してきていて、だんだんと親の手から離れていく時期にきているのだろうか?
トモのことを相談に行っている専門機関の先生には、
「トラブルをなくすことはできないが、本人が困ってしまってにっちもさっちもいかなくなる前に、早めに大人が中に入ってサポートする必要がある。そういう意味で、告知も必要だし、お兄ちゃんには、そろそろ話しておいたほうがいいでしょう。」
というようなことを言われているのである。
そして、この夏休み中、3年ぶりにトモも一緒に専門機関へ行くことになっている。
なんて話して連れて行こうか?
この期に及んで、まだ決意を固めていない母親なのである。
2005年 8月 小3
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