このドラマに限らず、自閉症をテーマとしたTV番組をやるという情報を聞くと、「わかりにくい、自閉症という障害のことが伝わる内容になっていたら」と強く願わずにはいられないところだが、このドラマは、そういう願いに応えながらも、あたたかい人間愛を毎回感じさせてくれたと思う。
すごく簡単に書いてしまうので、ドラマを見てなかった方には、わかりにくくて申し訳ないということを前置きの上で、読んでいただけたらと思う。
家族が、光くんの障害を知って、苦しみながらも受け入れる過程。
そして、まわりからみれば、ほんのささやかな・・かもしれないが、光くんの成長を、二人三脚で見守り、心から喜び合える夫婦。
光くん親子の子育てに接して、光くんのママのように、がんばったことを心からほめてあげられるママになりたいと思う、交流学級1年1組のクラスメートの母親。
光くんを通して、我が子のいいところを発見する父親。
深く考えず、光くんのものまねをしていたが、担任の先生のつたないながらも心のこもった涙の説明で、その気持ちを理解するクラスメートの女の子。etc・・・
そして、光君のお母さんのいらだち、喜びやせつない思いには、毎回涙を流して共感した。
最終回では、今まで、光くん親子を常にサポートし、きめ細かな配慮と工夫で、光くんのよさを見つけ出してくださっていたあさがお教室の先生が、発達障害をもう一度学びなおすために、学校を辞める。
後任は、自閉症について全く知らない先生。光くんは、これからどうなるのか?というところで終わるのである。
続編を作るつもりなのか?と期待は高まる。
何ヶ月もかけて、自立登校をやりとげた光くんの成長やあさがお教室の先生のお別れ会で、終わらせることもできたはずなのに、どうして中途半端な終わり方をしたのだろうか?
でも、単に感動的に終わってしまっては、いけないような気もする。
まわりで的確な援助をすれば、乗り越え、成長へとつなげていけることが、配慮がないために、どれほど本人やまわりが苦しむことになるのか、そういうことも暗示しているかのように思えてならない。
(でも、原作を読んでいなければ、伝わらないか・・・。)
最後に、わたしが、ドラマを見ていて、いつも感じることを書いてみた。
感じることだから、ひとりひとり違うとは思うけれど・・・。
ドラマ「光とともに・・・」効果
共感することがたくさんで、涙なしには見られない。
でも、悲しい涙なんかじゃない。
涙を流しながら、心の中がぽわぁとあたたかくなっていくのである。
主題歌「万華鏡キラキラ」効果
ドラマの最後に、この曲が物語にかぶさるように流れてくると、胸がきゅんとなる。
まるで心に、きれいな水がしみわたっていくよう。
せつなくも、世の中の汚いものから、心が洗われていくように、感じるのである。
2004年 6月
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